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アメリカ  デトロイト市条例  No.81-F

205章

条例No.81-F

厨芥処理機の設置を定める条例

この条例は厨芥処理機設置の施行と義務を規定する。そして、その条例を破ることに対して罰則を定める。以下の条文は、デトロイト市の市民が決定したものである。

1条 意図と目的

この条例の全体計画は、屋内で厨芥を処理することを強制することで、この地域社会の衛生や健康、安全や全体的福祉を促進する目的がある。屋内で厨芥を処理すれば衛生的状態が作られ、害虫の繁殖する場所がなくなる。 また厨芥処理機は、公衆にとって、やっかいなことが生じたり、続いたりする機会をなくしてくれる。

2条 定義

この条例の目的のため、この中で使われる一定の用語は、次のように定義される。

『Approved(よいと認められたもの) 』-当局が、受け入れられるものとして選んだ機械や方法で、論証や試験により、条例が意図する目的を実行でき、安全であることが証明されているものを意味する。

『City(市) 』-デトロイト市を示す。地方公共団体
『Commissioner(局長) 』-デトロイト市のビル・安全工学局の局長を意味する。
『Erected(立てられた) 』-この条例の目的にとって、 erected(立てられた) は、新築ビルのみではなく、建築物の全ての増築、もしくは、結果として厨芥が新たに生じる、または前より増加する様な、建築物の使用部分や占有部分の改造も意味する。但し、一家族または二家族用の住居の台所を改造する場合や住宅用キッチンシンクの取り替えが含まれない場合は除く。
『Food Westes(厨芥) 』-次の結果として生まれたり増えたりする野菜・肉・骨、および、それらの複合を意味する。準備・加工・購入・調理・給仕・分配・売買・破損・腐敗・悪化・貯蔵。あるいは、売買したり分配したり消費したりするのに、望ましくない、または、受け入れられないものにしてしまう、他の全ての食品の取扱い方法。
『On-The-Site Disposal(屋内処理) 』-家庭内で発生したり増えたりする全ての厨芥を当局がよいと認めた方法やシステムにより、家屋内で処理することを意味する。
『Person(人) 』-全ての人、すなわち、法人(事務所、共同経営者、協会、会社)、および、会社役員、管理者、支配人、そして法を引き継ぐもの全てを意味する。

3条

結果的に厨芥を発生させたり増やしたりする、1956年1月1日以降に市に建てられる建築物や様々な目的の為に使用しようとして、改造された全ての建築物は、家屋の中に厨芥を処理するため承認された厨芥処理機を備えなくてはならない。この条文の規定に従わない建築物を使ったり、使うことを許したり、使わせたりすることは誰であっても違法である。

4条

屋内での厨芥処理に使用される機械の取付け、操作、維持管理は、次の適切な規定と規則に従わなくてはならない。その規則は、市のビル、住宅、配管、電気、煙の排除、大気汚染、安全工学、健康、衛生、防火に関する条例である。

5条

局長は、承認された厨芥処理機のリストを局の中に整理・記録しなくてはいけない。

6条

この条例や法的な規則を破った人、もしくは本人の代りに破った人は有罪の判決に基づき500ドルの罰金刑か、デトロイト拘置所で90日間以内の禁固刑、もしくは罰金と禁固の両方の刑のどれかに服さねばならない。どれになるかは裁判所の裁量にまかせられる。

7条

この条例の節、文、段落、部分が、あるいは、条例を人や状況に適用することが、どんな理由であれ、適切な権限をもつ裁判所によって無効であると判決されたとしても、この条例の他の部分、および他の人や状況にその規定を適用することが、この判決により影響を受けたり、損なわれたり、無効になったりしてはならない。直接、その議論に関係する、この条例の節や文や段落や部分に、この判決が影響することは制限しなくてはならない。その議論から判決が、当人や当の状況に対して出されたからだ。条例が採用した、この主文にある立法部の意思には、そんな無効な規定は、含まれていないということが、ここで宣言されている。

8条

この結果、このように相反する全ての条例や条例の一部は、充分な効力と影響力を持つために必要な範囲内で、くりかえし用いられる。
(1955年10月11日 J.C.C.P2142)

1955年11月22日 通過
1955年11月29日 承認
1955年11月30日、12月1日、2日公布
1955年12月29日から有効

デトロイト市書記
THOMAS P. LEADBETTER